昨日見上げた夕暮れ時の空がとってもきれいで、思わず写真。
仕事帰りだったので、さすがに一眼レフを持っていなかったのが悔やまれますが、この時期は雨上がりの空がきれいだったりしますよね。
この空の色、「紅掛空色」っぽいなと思ったのですが、どうでしょう?
紅掛空色って何?
紅掛空色(べにかけそらいろ)は、昼と夜の境目の空の色のことです。
まさにこれから夜になろうとするときの、一瞬の色の混じり合い。
かすかに紅の混じった、淡い青色のことを「紅掛空色」と昔の日本人は呼んでいました。
今もなお使う言葉だとは思いますが、素敵な色合いと音の響きがきれいで、私は大好きです。
「紅掛空色」という色の名前は、染色法から生まれた名前でした。
藍で空色に染めた上に、さらに紅花で染め重ねて出す色合いという意味で、「紅掛空色」なんだとか。
特定の季節があるわけではなく、まさに色が混じり合う時間帯の空、というイメージでしょうか。
紅掛空色の別名
「紅掛空色」の別名は、「紅碧(べにみどり)」です。
「碧」というと、緑色のイメージがありますが、「紅碧」だと空色で青を表現するようです。
染色法から生まれた言葉ということなので、紅掛空色の着物なども存在しています。
どちらかというと涼やかな色合いに見えるので、着物だと春や夏の浴衣などに使われることが多いでしょうか。
なので、単衣(ひとえ)の着物でよく見かけるかもしれません。
紅掛空色のカラーコードは?
こんなに素敵な「紅掛空色」なので、この色です!とお伝えしたいのですが・・・。
なんとも微妙な色合いなので、パソコンの画面でお伝えするのは難しい。
青ではなく、紫ではなく、淡くて柔らかい青とでも表現しましょうか。
一般的に、下記の色合いと言われていますが・・・違うんだなぁ。
自然界の色をパソコンの世界で表現するのは難しい。
一応、コードで表してみると・・・
カラーコード:#8491C3
RGB:132/145/195
CMYK:32/26/00/24
となります。
さいごに
忙しい時こそ空を見上げるようにしているusagiko。
昔から空の写真を撮るのが好きでした。
大学時代に所属していた写真部でも、空ばかり撮っていました。しかもモノクロで。
思い通りの空が表現できなくて、暗室にこもってた頃もあったなぁ。
その頃の気持を思い出して、ふと懐かしくなりました。
空って、数秒単位で変わりゆくから、その瞬間を見逃したらそれでおしまい。
そして、まったく同じ空は今後この世に存在しない・・・その儚さ、神秘さが心にぐっときます。
その一瞬を私は見たんだ、という証拠として写真におさめる。
そのことに重大な意義がある、と若かりし頃の私は思っていたわけです。いや、今もその気持は変わらないけれど。
日本人って、なんでこんなに儚いものに惹かれるんでしょうね。
昔の歌人も今の私達も、春になると桜に心惹かれますよね。
一瞬で消えゆくきれいな物に心動かされる傾向があるみたい。それって、DNAに刻み込まれているのかしら。
さらに日本人は色にも繊細な感性を持っているな、ていつも感心しています。
例えば、虹がいくつの色で構成されているかは各国によって捉え方が違うけれど、日本は7色が定番で、他の国では4色だったり、5色だったりするらしいですよね。
諸説ありますが、色に繊細な感性を持っているから7色が定着したのかな、と思っています。